ミレニアム

映画「ミレニアム2 火と戯れる女」

映画「ミレニアム3 眠れる女と凶卓の騎士」

9月11日(土)シネマライズ他連続公開!
その過去が真実の口を開き、彼女の存在は脅威となる。
closeWindow

KEYWORD キーワード

ミレニアムを読み解くキーワードtext by 吉野 仁(ミステリー評論家)

ザラ

元ソ連(情報機関GRU)のスパイ。本名アレクサンデル・ザラチェンコ。1976年スウェーデンに亡命したのち、犯罪組織の黒幕的存在として暗躍をつづけてきた謎の男。麻薬、武器、売春、現金強奪などさまざまな犯罪事件に関与しているとされながら、その正体は長らく不明だった。じつは「火と戯れる女」でリスベットの衝撃的な過去と深く関係しているのだが…。

金髪の巨人

ザラチェンコの手下として、リスベットの後見人であるビュルマン弁護士に接近し、オートバイクラブのならず者たちを利用して彼女をつけ狙う大男。本名はロナルド・ニーダーマン。まるで「対戦車用ロボット」のような体つき。無痛症。身長は2メートル、体重は130から140キロ。鉄筋コンクリート製の骨格、筋肉の塊といわれる。彼にもまたリスベットにつながる隠された秘密があった。

少女売春

ロシアや東欧から少女を連れてきて、人身売買、強制売春をする組織が存在した。新鋭フリージャーナリストのダグ・スヴェンソンとその恋人である犯罪学者ミア・ベルイマンらの調査・取材によって告発されようとしていた。その過程で浮かびあがってきた名前が「ザラ」だった。

秘密組織 班

かつて公安警察を中心として、ザラの亡命を機密扱いにし、彼を利用しようとした秘密のグループがあった。リスベットが精神病院へ送られた背後には、この組織が裏で絡んでいたのだ。ミカエルは当初、ザラチェンコ・クラブと呼んでいたが、じつはザラチェンコがスウェーデンに来るより以前からこの謎の組織「班」は存在していたらしい。

雑誌「ミレニアム」

「ミレニアム」は社会批判をテーマとした月刊誌で、発行責任者ミカエルと編集長エリカが共同経営者として1990年にたちあげた。それまでミカエルは、フリーランスの犯罪記者もしくはタブロイド紙の臨時記者としての経験があった。ミカエルは「ミレニアム」誌で、産業会の腐敗や闇取引を暴露する記事を専門に書き、彼の記事で破滅に追い込まれた企業トップや政治家が何人かいるという。

精神病院と後見人

リスベット・サランデルは、かつて聖ステファン児童精神病院に収容されていた。主治医ベーテル・テレボリアンは、精神に障害をもっていると診断した。そのため、司法精神科医にとる検査でも、地方裁判所から言い渡された決定でも、サランデルは責任能力のない無能力者で暴力的な傾向のある問題児と判断され、成人後も後見人がつくころになった、少女時代に精神病院でベットに縛りつけられて虐待をうけたリスベットからみればテレボリアン医師は「これまで出会った中でも、群を抜いて不快で汚らわしいサディストだ」という。医学者としての地位と名声に守られ、公に認められた権威的な存在だからである。はたして真実は明らかになるのか。

法廷

警察に逮捕されたリスベットは、数々のいわれのない罪をきせられた、リスベットの弁護士としてミカエルの妹アニカがつくこととなり、裁判は「被告人のプライバシーを配慮し、機密情報の漏洩を防ぐため」非公開で行われる見込みとなった。敵は、役人や精神科医を総動員して裁判にのぞみ、マスコミに働きかけようとした。エクストレム検事はテレボリアン医師を味方につけ、リスベットを精神病院へと送ろうとする。だが、リスベット側もまたアニカとミカエル、そして狂卓の騎士の惜しみない協力で反撃を開始した。

狂卓の騎士

天才ハッカーでもあるリスベットは、プレイグをはじめ、ごく親しいネット仲間と協力し、さまざまな情報を集め、悪党たちの正体とその実態を暴こうとした。そしてミカエルを含む連絡先のネット・グループは〈狂卓〉および〈騎士〉と命名された。これは、アーサー王伝説の「円卓の騎士」をもじったものだ。

女を憎む男たち

「ミレニアム」の邦題では「ドラゴン・タトューの女」とあるが、じつは原作の副題は「女を憎む男たち」だった。後見人という立場を悪用し、リズベットを性の奴隷にしようとした弁護士ビュルマン、少女時代のリスベットへ精神に異常があるという偽の診断をくだした精神科医テレボリアン、リスベットの友人ミリアム・ウーに過剰な暴行を加える金髪の巨人、そして少女売春組織など、本作では、女性に対して虐待、蔑視、暴力を働く男たXひの犯罪が大きなテーマとなっている。
同時に、リスベット・サランデルを筆頭に、「ミレニアム」編集長エリカ、ミカエルの妹の弁護士アニカ、公安系去る憲法法保障課のモニカなど、勇猛果敢な女性たちが相手の暴力や脅迫に屈せず、ときに復讐の逆転劇を演じたり、犯罪捜査の最前線で闘ったりする。女を憎む男たちをたたきつぶすヒロインの活躍がテーマなのだ。」